特集 高齢者の栄養管理
高齢者周術期の栄養管理
Perioperative exercise and nutritional management for elderly patients with surgery
栄養-評価と治療 Vol.30 No.3, 38-42, 2013
「SUMMARY」当科の肝細胞癌肝切除症例(1992年1月~2010年12月の根治切除600例を対象)の術後短期および長期成績を, 非高齢者群(75歳未満:517例), 高齢者群(75歳以上:59例)および超高齢者群(80歳以上:24例)間にて比較検討したところ, 術後合併症発生や術後生存期間は3群間に有意差を認めなかった. これは, 高齢者・超高齢者群の術前肝機能は良好であり, 手術適応選別においてすでにバイアスがかかったうえでの非高齢者群との比較検討を行っていたからである. しかしこれら条件の良い高齢者手術が順調に乗り越えられても, 術後晩期にはfrailty(虚弱)やサルコペニアなどの栄養障害に陥る可能性が高い. われわれは, 多職種連携による高齢手術患者個人に応じた総合機能評価を術前・術後に行い, 長期的な栄養管理と運動リハビリテーションを行っていくことが最重要であると考えている.
「KEY WORDS」高齢者,高齢者総合的機能評価,外科治療
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。