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第34回日本栄養アセスメント研究会発表演題より

肝硬変患者の栄養病態と実態調査

Nutritional assessment and actual condition survey of the patients with liver cirrhosis

佐原圭遠藤龍人加藤章信鈴木一幸

栄養-評価と治療 Vol.29 No.1, 41-45, 2012

SUMMARY
多施設での肝硬変の成因別の栄養病態を検討した。成因ではHCV,HBVには性差がなく,アルコール性は男性が,NASHを含むその他の成因では女性が多い傾向を示し,また,BMI25未満ではBMI25以上に比べ,高齢で肝癌の既往も多い傾向を示した。肝癌の既往のある群は既往のない群に比し,男性が多く高齢で,血清Alb,血小板,血清脂質が低く,血中アンモニア濃度が高く,肝予備能が低下した症例が多くみられた。

KEY WORDS
■ 肝硬変 ■ 肝癌 ■ BMI ■ 栄養代謝障害

Ⅰ 背景と目的

 肝臓は栄養代謝の中心臓器であり,肝硬変では糖質,脂質,たんぱく質・アミノ酸代謝を含めた多くの栄養代謝障害が高率に存在することが報告されている。したがって,栄養療法は肝硬変治療の基本となる。
 肝硬変の進展抑制や肝発癌予防に対する栄養療法にあたっては,わが国における肝硬変の栄養病態を明らかにする必要があると考え,今回,多施設での肝硬変の成因別の栄養病態を検討した。
 今回の検討では,性別に分けて肝癌の既往,body mass index(BMI)によって肝硬変の栄養病態に差がないか,さらには肝癌の既往のある肝硬変での病態の特徴について検討した。

Ⅱ 研究方法

 全国16施設(北海道:旭川医科大学,東北:岩手医科大学,関東:獨協医科大学越谷病院,東海大学八王子病院,杏林大学,中部:岐阜大学,三重大学,MIWA内科胃腸科CLINIC,近畿:大阪市立大学,関西医科大学,大阪厚生年金病院,兵庫医科大学,中国・四国:愛媛大学,川崎医科大学,九州:久留米大学,別府医療センター)に,2007年5月~6月に外来受診をした肝硬変患者を対象とした。肝硬変の診断は腹部超音波検査,CTなどの画像検査や肝組織検査,血液生化学検査などにより総合的に診断した。
 方法は統一シートを作成し,BMI,肝硬変の成因,各種血液生化学検査,肝性脳症,浮腫・腹水の有無および肝細胞癌の既往を記入した。未記入項目のある症例はその項目の解析対象から除外し,解析を行った。またBMIの項目においては腹水ありの症例を除外した。統計検定はJMP®version 5を用いた。

Ⅲ 結 果

1.患者背景

 総症例数は733例(男性:366例,女性367例,平均年齢66.6歳)であり,そのうち,腹水を有する症例は110例で,肝癌の既往を有する症例が211例であった。対象症例の詳細について表1に示す。

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