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NST活動の現状と今後の展開

NSTと診療報酬

東口髙志

栄養-評価と治療 Vol.28 No.4, 30-33, 2011

Summary
現在,わが国の医療はまさしく岐路に立たされている。栄養管理を駆使した社会福祉体制をいかに早くかつ確実に構築するか。「栄養管理実施加算」や「栄養サポートチーム(NST)加算」はその大きな問題点を解決する第一歩であり,決してこの灯を消してはならない。そのためにはすべての職種が一致団結して,NSTの効果を検証しつつ,わが国に栄養管理を基盤とした患者に優しい医療体制を構築していくことが大切である。

Key words
■ 栄養サポートチーム(NST) ■ NST加算 ■ 全国NST実施調査 ■ 栄養管理実施加算 ■ 診療報酬

Ⅰ はじめに

 多職種で栄養管理を実践する栄養サポートチーム(nutrition support team;NST)の活動が評価され,2006年に栄養管理体制に対する診療報酬が世界に先駆けて新設された。それが「栄養管理実施加算」である。この評価の対象はすべての入院患者であり,栄養アセスメントから始まる一連の栄養管理を多職種で行った際に申請が可能な,栄養管理のシステムに対する診療報酬である。この「栄養管理実施加算」の新設は,わが国のNSTの普及や活動の効果が,医療政策上意義のあるものとして高い評価を受け,栄養管理がこれまでの単純な給食業務的なものから,一気に医学・医療の一端を担うものとして認められたことを意味する。さらに2010年4月には,この「栄養管理実施加算」にて抽出された症例で,特に重点的なケアが必要な患者に対するチーム活動加算として,「NST加算」が上乗せされた。今回新設された「NST加算」は,「栄養管理実施加算」に上乗せすることによってはじめて意義をもつことから,この2つのシステムの発動は総合的な栄養管理体制をわが国の医療の基盤として確立することを目的としたものと考えられる。すなわち,2001年より日本静脈経腸栄養学会(Japanese Society for Parenteral and Enteral Nutrition;JSPEN)のNSTプロジェクトおよびNST委員会が活動を開始し,今や1,600を超える施設にNSTが稼働されるようになってきたが(図1)1),診療報酬評価のうえでもずっと望み続けてきた理想的な栄養管理体制が構築されようとしているのである2)3)4)。

 本稿では,今回の診療報酬改定による「NST加算」の要点をまとめながら,この加算が新設された背景を通して今後われわれが目指すべきNST像に迫ってみたい。

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