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特集 生体制御にかかわる多彩なリポクオリティ~基礎から病態まで~

12.リポクオリティと代謝疾患

松坂賢島野仁

The Lipid Vol.30 No.4, 93-99, 2019

肥満に伴う血中および臓器内の脂質の過剰蓄積が引き起こす細胞・臓器での機能障害は脂肪毒性とよばれ,さまざまな代謝性疾患の原因となる.脂肪酸代謝異常が惹起する脂肪毒性は各々の細胞・臓器によってその病態が異なり,最近では,蓄積する脂肪酸の量のみならず,脂肪酸の炭素鎖長および二重結合の数と位置の違いやその組成といった脂肪酸のバランス(質)がメタボリックシンドロームに関与することが明らかになってきた.脂肪酸不飽和化酵素SCDや脂肪酸伸長酵素Elovl6への適切な介入により脂肪酸の「量」と「質」を制御することが,メタボリックシンドロームの新規治療法として期待される.
「KEY WORDS」肥満,インスリン抵抗性,糖尿病,SCD,Elovl6

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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