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特集 生体制御にかかわる多彩なリポクオリティ~基礎から病態まで~

11.リポクオリティと喘息・アレルギー

福永興壱

The Lipid Vol.30 No.4, 88-92, 2019

喘息,アレルギーにおける脂肪酸とのかかわりは臨床研究あるいは基礎研究を通して多く知見が得られている.脂肪酸,特にアラキドン酸から生成されるロイコトリエンなど炎症を惹起するメディエーターのみならず,近年では本来生体が兼ね揃えている抗炎症作用や能動的な炎症収束に関与する脂質メディエーターの存在が明らかにされ,さらにはこれら炎症・抗炎症のバランスの破綻がその病態形成に関与している可能性が示唆されるようになった.さらに近年進歩したリピドミクス解析は数多くの脂肪酸代謝物の変動を明らかにし,炎症性疾患においてもリポクオリティのその意義をより明確な方向へ導いてくれようとしている.今後これまで治療に難渋した喘息・アレルギーにおいて新たな創薬への応用・治療法の確立につながることが期待されている.
「KEY WORDS」酸球,ω3脂肪酸,specialized pro-resolving mediators,脂肪酸代謝,リピドミクス解析

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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