Meet the Boss
槇野博史
The Lipid Vol.30 No.3, 96-103, 2019
―先生は岡山のお生まれですね.どのようなお子さんだったのですか.
「ごく真面目な普通の子だったと思います.大人になったら何になりたかったかというと,小学校の卒業文集に自分の将来について,『野口英世みたいな人になりたいな.なれるかな』と書いているのがみつかりました.子どもの頃は,トーマス・エジソンとかキュリー夫人とか,いろんな人の伝記を読んでいましたが,たぶん野口英世が一番気に入ったというか,一番尊敬していたのでしょう」
「通っていた深柢(しんてい)小学校は岡山大学医学部とは家から反対方向でしたが,比較的近かったので,子供の頃は映画の『スタンド・バイ・ミー』の真似じゃないですが,当時おっかない所だといわれていた大学病院によく探検に行っていました.おそらく親戚か知り合いの子が生まれたときに初めて岡大の産婦人科病棟に行って,『大学病院って自由に出入りできるんだ』とわかっていたからだと思います.夏休みには大学病院の敷地でよく虫や蝶々を追いかけて遊んでいました.それが岡大との最初の思い出ですね」
「中学は受験して岡山大学教育学部附属中学校に行きました.附属中学は,附属小学校からの進学が半分,中学からの外部入学が半分で,優秀な人が多かったです.でも,僕はのんびりしていて,放課後は親しい友人たちと英語クラブで活動したり,文化センターで本を読んだりしていました.英語クラブに入ったのは,英語に興味をもったからですが,英語を勉強しようと思っても当時の岡山には外国人があまりいませんでした」
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。