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Ⅱ.各論

2.シトステロール血症研究の過去・現在・未来

The Lipid Vol.30 No.1, 44-51, 2019

シトステロール血症は,高コレステロール血症を伴わない著明な腱黄色腫を呈する姉妹例として1974年に報告された.本症の原因は,小腸上皮細胞刷子縁と肝細胞毛細胆管膜に発現するABCG5またはABCG8の機能低下,すなわち植物ステロール排泄障害(吸収亢進)である.常染色体潜性遺伝性疾患であり,かつてきわめてまれな疾患と考えられていた.近年の遺伝子解析技術の進歩により,ABCG5またはABCG8遺伝子の機能喪失型変異の頻度は一般人220人に1人と推定される.すなわち本症は一般人約20万人に1人(わが国に635例)と概算される.シトステロールは動脈硬化性疾患予防の次なる標的と考えられ,まずは正確な診断に基づく症例の蓄積が,本症研究の発展に必要と考えられる.
「KEY WORDS」コレステロール,シトステロール血症,植物ステロール,ABCG5/G8,NPC1 L1

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

抄録