オミックスデータから得られる患者と健常者との間で変動する分子群情報を利用して,新薬を開発するアプローチが提案されている.細胞内分子の網羅的計測が可能になることで約10年前に考案・実装されたコンセプトであるが,そのコンセプトは,現在,化合物-ターゲット蛋白質の仮定による創薬アプローチと両輪を成している.本稿では,このコンセプトに沿った承認薬の新規適用疾患の探索(ドラッグ・リポジショニング)の概要,長所・短所,その可能性について概説する.
「KEY WORDS」分子刻印,システム薬理学,ドラッグ・レスキュー
「KEY WORDS」分子刻印,システム薬理学,ドラッグ・レスキュー