特集 プレシジョンメディシンの現状と未来
Ⅱ.各論 4.ゲノム情報に基づいた診断とコンパニオン診断薬
The Lipid Vol.29 No.2, 55-60, 2018
ゲノム情報の臨床への応用は,次世代シークエンサー(NGS)の登場により現実のものとなった.NGSを用いることで,高精度で大量のゲノム情報を,高速かつ低価格で得られるようになり,ライフサイエンスの様相が大きく変わろうとしている.
一方,コンパニオン診断薬は薬剤の有効性や安全性を一層高めるために,その対象患者に該当するかどうかなどをあらかじめ検査する目的で使用される診断薬である.一度に多くの遺伝子座位や多数の遺伝子配列を検索できるNGSを,コンパニオン診断の領域で活用する動きが加速している.本稿では,NGSを中心としたゲノム解析をコンパニオン診断薬に応用することの利点と,それに伴う問題点について述べる.
「KEY WORDS」コンパニオン診断薬,次世代シークエンサー, NGS,癌,バリアント
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