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アポ蛋白A-Ⅰ欠損症と動脈硬化

護山健悟福井純上野裕貴佐々木淳

The Lipid Vol.28 No.4, 4-8, 2017

近年,動脈硬化の防御機構として,いわゆるコレステロール逆転送系,すなわち末梢組織に沈着したコレステロールを引き抜いて肝臓へ転送する系の重要性が再認識されてきている.このコレステロール逆転送系の中心的役割を担っているのが高比重リポ蛋白(high-density lipoprotein;HDL)である.HDLの化学組成は約50%が蛋白成分であり,残り50%はリン脂質とコレステロールエステルを主体とする脂質成分である.このHDLの主要構成アポ蛋白がアポリポプロテインA-Ⅰ(アポA-Ⅰ)である.アポA-Ⅰは,生体内に存在する遊離コレステロールをコレステロールエステルに転換するlecitin-cholesterol acyltransferase(LCAT)の活性化因子であることが知られている.また,スカベンジャー受容体B1や,細胞膜に存在するトランスポーター(adenosine triphosphate binding cassette transporter A1;ABCA1)との結合する際に必要とされる.アポA-Ⅰ欠損症は大きくアポA-Ⅰ/C-Ⅲ/A-Ⅳ欠損症,アポA-Ⅰ/C-Ⅲ欠損症,アポA-Ⅰ単独欠損症に分けられる.本稿ではわれわれが経験したアポ-A-Ⅰ単独欠損症と動脈硬化について述べる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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