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特集 エピゲノムとメタボリズムのクロストーク

9. 組織傷害と全身性応答~メチオニン代謝が支える組織修復機構~

樫尾宗志朗三浦正幸

The Lipid Vol.28 No.3, 66-74, 2017

組織の損傷あるいは欠損といった非常事態に対し,生体は迅速かつ精巧に制御された恒常性維持機構を発動する.組織傷害およびその後の修復過程では,細胞・組織レベルで劇的な変化が引き起こされる.近年のショウジョウバエを用いた研究から,傷害部位の局所的な応答のみならず,傷害部位から離れた組織との相互作用も組織の修復,ひいては個体の生存に不可欠であることが明らかになってきた.本稿では全身性傷害応答,特に必須アミノ酸の一つであるメチオニン代謝が遠隔的に組織修復に与える影響を議論する.
「KEY WORDS」S-アデノシルメチオニン(SAM),メチル化,組織傷害,組織修復,組織再生

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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