特集 エピゲノムとメタボリズムのクロストーク
3. プロテオーム解析から解明されたリジン脱メチル化酵素の熱産生における新たな役割
The Lipid Vol.28 No.3, 26-31, 2017
生体が急激な寒冷環境に曝され,脳によって寒冷刺激が感知されると,交感神経系下流のcAMP-PKAシグナルを介して,褐色脂肪細胞から熱が産生される.この寒冷に対する生体の適応反応は,生体防御という観点から,数分レベルで生じる必要性がある.本稿では,褐色脂肪細胞の熱産生が,ヒストンH3の9番目リジン残基(H3K9)脱メチル化酵素JMJD1Aによってエピジェネティックに制御されるメカニズムに関して概説する.
「KEY WORDS」褐色脂肪細胞,熱産生,リン酸化,リジン脱メチル化酵素JMJD1A,寒冷刺激
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。