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症例検討 脂質代謝異常症への多角的アプローチ

IgG4関連疾患と冠動脈硬化,弁硬化

坂本愛子

The Lipid Vol.27 No.4, 78-83, 2016

「はじめに」IgG4関連疾患は,炎症性線維化を特徴とする全身性疾患で,自己免疫性膵炎との関連を契機としてわが国から提唱された,比較的,新しい疾患概念である.IgG4関連疾患では,線維化および腫瘤性病変に加えて,病変組織へのIgG4陽性形質細胞浸潤がみられ,しばしば血清のIgG4高値がみられる1).わが国では,平成27年7月に,新たにIgG4関連疾患が厚生労働省の指定難病とされ,これまで以上に,IgG4関連疾患に対する認知度が高まっている.しかしながら,一方で,本疾患の病態の発生機序や疫学については,依然として不明の点も多い.
近年では,IgG4関連の免疫学的機序の活性化が,自己免疫性膵炎のみならず,Mikulicz病などの各種自己免疫疾患をはじめとした,さまざまな臓器の多彩な病態に関連する可能性が指摘され,国際的にも注目を集めている.心血管病変においても,後腹膜線維症2)や炎症性大動脈瘤3),冠動脈瘤4),冠動脈周囲炎5)などの一部の症例で,IgG4の関与が報告されている6).さらに,CTなどの画像診断の進歩,普及によって,これらの疾患が偶発的に見つかるケースも増えている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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