「Summary」腎は生理機能の発現のために大量の脂肪酸を消費する脂肪酸消費臓器である.近年,慢性腎臓病(CKD)の病態において,脂肪酸代謝能力の低下が尿細管間質障害の進展や腎機能の低下に重要な因子であり,新たなCKD治療の介入点であることが報告され注目されている.今後,腎脂肪酸代謝能力の向上を目的とした新たなCKD治療法の開発が期待される.
「Key Words」慢性腎臓病,PPARα,脂肪酸代謝,尿蛋白,尿細管間質障害