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特集 新しいリピドーシス―中性脂肪と臓器障害―

Ⅱ.脂肪毒性の臓器特性 1.脂肪組織における脂肪毒性

田中都菅波孝祥

The Lipid Vol.27 No.3, 52-57, 2016

「Summary」従来より,遊離脂肪酸が膵β細胞のインスリン分泌障害を惹起することを脂肪毒性とよんでいたが,最近では,脂肪組織以外の臓器への脂肪蓄積(異所性脂肪蓄積)やそれにともなう臓器機能異常も広義の脂肪毒性と捉えられている.肥満の脂肪組織では,肥大化した脂肪細胞から産生される飽和脂肪酸と浸潤マクロファージとの相互作用を中心とした組織リモデリングを起こしながら炎症が蔓延化し,線維化が生じることが明らかにされつつある.線維化した脂肪組織では,脂質蓄積能に障害が生じ,その結果,脂肪組織以外の組織,特に,肝臓や骨格筋などインスリン標的臓器に異所性に脂肪が蓄積し,インスリン抵抗性につながると想定されている.本稿では,肥満の脂肪組織炎症と脂肪組織線維化について,最近の知見を概説する.
「Key Words」メタボリックシンドローム,脂肪組織炎症,マクロファージ,異所性脂肪蓄積

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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