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特集 サルコペニア

Ⅰ.サルコペニアの成因・病態・診断 マイオスタチンによる骨格筋量調節

常陸圭介中谷直史上住聡芳土田邦博

The Lipid Vol.27 No.1, 23-28, 2016

「Summary」超高齢社会に突入しているわが国では,加齢による疾病に対する予防や治療法の確立が緊急課題である.高齢者では,筋肉量減少・筋力低下が大きな問題となり,サルコペニア(加齢性筋肉減少症)と呼称される.マイオスタチンは,主に骨格筋から分泌され,骨格筋量を負に制御している.加齢ではマイオスタチンの活性上昇が,サルコペニアのひとつの要因と考えられている.近年,アクチビンも筋量の負の制御にかかわることや,GDF11とよばれるマイオスタチンと類似した因子が加齢での筋再生に関与することが明らかとなった.サルコペニアの新たな分子標的となる可能性が高い.サルコペニアでは,運動,適切な栄養の摂取が重要であるが,予防や治療介入が可能となれば,高齢化社会の福音となる.
「はじめに」サルコペニア(加齢性筋肉減少症)は,ギリシャ語由来で文字どおり,筋肉(サルコ)の減少(ペニア)を示す.骨格筋率は体重に占める骨格筋の割合を示す.個体差がきわめて大きいが,男性で約34%,女性で約27%が標準とされている.
「Key Words」マイオスタチン,GDF11,TGF-βファミリー,サルコペニア(加齢性筋肉減少症)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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