特集 家族性高コレステロール血症(FH)の新しい治療
Ⅲ.FH 治療の位置付け LDLアフェレシス
The Lipid Vol.26 No.4, 66-72, 2015
「Summary」スタチンの薬理作用は肝細胞におけるコレステロール合成阻害とLDL受容体の発現促進であり,したがってLDL受容体を欠損する家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia;FH)ホモ接合体に対する効果は限定的である.LDLアフェレシスは,体外循環を用いアポB含有リポ蛋白を選択的に吸着・除去する治療法であり,FHホモ接合体に対する薬物療法の限界を克服すべく開発された.コレステロール低下作用のみならず,細胞接着因子や炎症性マーカー,凝固因子,PCSK9低下作用を有し,動脈硬化予防効果と安全性が確立している.核酸医薬や抗体医薬の開発技術が向上し,新規脂質低下剤が前臨床段階にあるが,FHホモ接合体に対しLDLアフェレシスは今後も重要な選択肢と考えられる.
「Key Words」家族性高コレステロール血症,LDLアフェレシス
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。