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特集 HDL機能と病態・創薬

Ⅰ.HDL機能 病態によるHDL機能の変化―脂質異常症(CETP欠損症等)

山下静也

The Lipid Vol.25 No.3, 36-50, 2014

[Summary] 血清高比重リポ蛋白(HDL)は本来, 動脈硬化防御作用を有するリポ蛋白であると考えられてきた. 血管壁に蓄積した過剰なコレステロールはHDLやその構成アポ蛋白であるアポ蛋白A-Iによって引き抜かれ, HDL中へ組み込まれた後, HDL中のコレステロールエステル(CE)はコレステロールエステル転送蛋白(CETP)により, 超低比重リポ蛋白(VLDL), 中間比重リポ蛋白(IDL), 低比重リポ蛋白(LDL)等のリポ蛋白へ転送され, 最終的に肝臓へ戻る. HDLは従来このような組織からのコレステロール引き抜きと肝臓へのコレステロール逆転送(RCT)という機能を有すると考えられてきたが, 最近では抗酸化作用, 抗炎症作用, 抗血栓作用, 内皮傷害改善作用, 血管拡張作用, 抗感染作用, 抗アポトーシス作用, 抗糖尿病作用など, 多面的機能も有することが解明されてきた. さらには, 種々の原因により, このような機能に異常をきたし, functional HDLがdysfunctional HDLへと変化することも明らかになってきた. 本稿ではHDLがいかなる病態で機能的変化を起こし, 病的dysfunctional HDLに変化するのかについて述べる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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