<< 一覧に戻る

特集 リポ蛋白受容体―正常細胞と病的細胞における役割―

細胞機能から新たな病態解明へ 白血病幹細胞と可溶型受容体

中世古知昭

The Lipid Vol.23 No.4, 93-100, 2012

[Summary]LR11はLDL受容体ファミリーに属し, 動脈硬化巣の未(脱)分化平滑筋細胞に特異的に発現する分子であり, 細胞膜でプロテアーゼにより分断され可溶型受容体として血清中に放出される. LR11は骨髄幹細胞で高発現し, 幼弱な白血病細胞に高発現することが判明した. 可溶型LR11(sLR11)は白血病細胞の遊走能を有し, LR11は白血病幹細胞からの腫瘍の進展に深くかかわることが明らかとなった. 白血病患者血清では有意にsLR11は高値であるが, 寛解が得られるとともに正常化し, 血清sLR11は新たな白血病バイオマーカーとして働くことが示された. 「はじめに」腫瘍は表現型や機能的に多様な細胞群から構成されている不均一な細胞集団である. 腫瘍組織の中では, ごく一部の細胞集団のみが自己複製(self-renewal)能と多分化能をもち, この細胞集団が増殖と分化を繰り返しながら腫瘍を再構成すると考えられ, この細胞集団は癌幹細胞(cancer stem cell)とよばれ, 正常組織と同様, 腫瘍組織においても, 癌幹細胞を頂点として階層的に限られた分化が生じて腫瘍組織全体が構築されると考えられている.
「Key Words」LR11,可溶型LR11,急性白血病,白血病幹細胞,ニッチ

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る