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特集 リポ蛋白受容体―正常細胞と病的細胞における役割―

細胞機能から新たな病態解明へ 動脈硬化とABCA1

綾織誠人

The Lipid Vol.23 No.4, 76-83, 2012

[Summary]高比重リポ蛋白(HDL)は抗動脈硬化リポ蛋白とされ, その機序として動脈硬化巣マクロファージ(MΦ)のコレステロールを肝臓に転送し, 胆汁中へ排泄するコレステロール逆転送(RCT)が重要である. RCTはMΦからのコレステロール搬出反応に端を発し, その反応にはHDLの主要構成蛋白であるapoA-IとATPカセットトランスポーターA1(ABCA1)との相互作用が大きな役割を果たす. ABCA1変異により低HDLコレステロール血症および動脈硬化性疾患が惹起される. ABCA1を活性化することにより動脈硬化発症を抑制しようという新たな治療戦略創出の試みが精力的に進められている. 「はじめに」HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)によるLDL低下療法のエビデンスは十分確立されたが, 心血管イベントの抑制は約30%に過ぎない. 残る70%の抑制を目指し, 次の治療標的として高比重リポ蛋白(HDL)が注目されている.
「Key Words」ABCA1,コレステロール逆転送,HDL,動脈硬化

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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