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特集 リポ蛋白受容体―正常細胞と病的細胞における役割―

受容体研究による細胞機能の発見 エンテロウイルス71の受容体としてのScavenger receptor B2

小池智

The Lipid Vol.23 No.4, 44-49, 2012

[Summary]ウイルスは宿主の蛋白質を本来の機能とは異なった機能に転用し, ウイルスの感染を成立させる. エンテロウイルス71(EV71)はヒトに手足口病を起こすウイルスのひとつとして知られているが, 近年東アジア地域において重篤な中枢神経合併症を引き起こす症例が多数報告されたことで注目されている. われわれはこのウイルスの受容体の同定を行ったところ, scavenger receptor class B, member 2 (SCARB2)あるいはlysosomal integral membrane protein-2 (LIMP-2)として知られる分子がウイルスとの吸着や脱殻(ウイルス粒子の中から遺伝子RNAが放出される過程)に関与している分子であることを明らかにした. ウイルス受容体の同定はウイルスの感染メカニズムを理解する上で重要であり, 感染の予防や治療方法の開発に寄与することが期待されている.
「Key Words」エンテロウイルス71(EV71),手足口病,急性中枢神経合併症,ウイルス受容体,SCARB2

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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