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特集 リポ蛋白受容体―正常細胞と病的細胞における役割―

受容体研究による細胞機能の発見 LDLレセプターとステロールセンサー

酒井寿郎

The Lipid Vol.23 No.4, 27-37, 2012

[Summary]LDLレセプター遺伝子の異常は世界で最も頻度の高い遺伝病である家族性高コレステロール血症を引き起こす. LDLレセプターは五つのドメインから構築され, 各々独立した機能によって, 細胞表面のコーテッドピット局在, ここでのLDLへの結合, エンドサイトーシスベジクルによるリソソームへの運搬, LDL分離という一連の機能を発揮する. LDLレセプターは再び細胞表面にリサイクルされおよそ150回再利用される. LDLレセプターは細胞外のコレステロールを取り込む重要な役割を担うが, 細胞のコレステロールが過剰にならないように, LDL遺伝子発現は厳密に制御される. これを担うのが膜貫通型転写因子SREBPである. SREBPは, ステロールセンサー蛋白SCAPと複合体を形成し, 小胞体膜に局在している. 小胞体膜上のコレステロールが減少すると, SREBP・SCAP複合体はゴルジ体に運ばれ, ここで二つのプロテアーゼ(S1P, S2P)による2段階の連続した切断を受け, 活性化され, 核に移動し, ここでLDLレセプターを始めとしたコレステロール合成系の鍵となる遺伝子の転写を活性化する. このようにコレステロール制御は細胞内小器官でのトラフィキングによるという驚くべき発見がなされた.
「Key Words」LDLレセプター,SREBP,SCAP,S1P,S2P

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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