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症例検討 脂質代謝異常症への多角的アプローチ

シトステロール血症の兄妹例

福田謙志村直人服部浩明市川剛小山さとみ有阪治

The Lipid Vol.23 No.2, 86-91, 2012

「はじめに」シトステロール血症は常染色体劣性のまれな遺伝性脂質代謝異常である. その原因は膜蛋白輸送体であるABCG5(ATP-binding cassette transporter G5), ABCG8の機能喪失型変異によるとされている. 植物ステロールの蓄積は若年性動脈硬化の原因として, この疾患の重要な問題であり, 小児期からの早期診断, 早期治療が求められる. 今回, われわれは黄色腫, 高コレステロール血症でフォロー中に関節炎を発症し診断に至った9歳女児(症例1)と, 妹(症例1)の診断後に関節炎を発症し診断された, 正常コレステロール血症の12歳男子(症例2)の兄妹例を経験したので報告する. 「症例」症例1は9歳女児(表(1), 図(1)~(3)). 6歳時より両肘, 両膝に黄色腫を認めていた. 9歳時に皮膚科を受診, 生検を施行し黄色腫と診断された. 同時に行った血液検査で高コレステロール血症を認めたため小児科に紹介された. 高コレステロール血症に対して食事療法を開始したが, 経過中に4日間の発熱と四肢関節の疼痛, 発赤, 腫脹, 熱感を認めたため入院した.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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