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巻頭言

Dynamic equilibrium(動的平衡)

朔啓二郎

The Lipid Vol.23 No.2, 1, 2012

1981年頃から, 動的平衡をテーマに研究しているが, リポ蛋白代謝そのものである. それぞれのリポ蛋白を壊すためにつくるのか, つくるために壊すのか? 日常臨床ではガイドラインの脂質管理目標値に沿って対応するので, 個々人での脂質値は一見静的にみえるが, 生体はきわめて動的にこの値を維持している. その平衡状態が高く保たれるか, 低く保たれるか, 分画異化率がどう動いて病的不均衡に至るかなど, 病態把握に深い意味をもつ. 生活習慣の改善, 各種脂質改善薬, 分子標的薬や創薬がさまざまなレセプター・トランスポーターとシグナルを介しながら, 連続的に動的に平衡に達するまでのプロセスや, 動的平衡に達した時点での合成や異化率に関する内容が明確であることが大切である. LDLの動的平衡は, LDL合成阻害のスタチンやコレステロール吸収阻害薬の開発により, 機序に従って治療選択のオプションがある.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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