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新しいマクロファージ

Ⅰ.生理機能 マクロファージの脂肪酸代謝

野牛宏晃

The Lipid Vol.22 No.2, 31-35, 2011

Summary
 マクロファージの脂肪酸は,エネルギー産生に利用されたり,lipid dropletとして蓄積されるほか,自身あるいは代謝過程で産生されるセラミド,ジアシルグリセロール,活性酸素種などは炎症やアポトーシスにも関連している.さらにTLRsは脂肪酸により活性化され細胞内へのシグナル伝達により炎症を惹起したり,細胞内脂肪酸結合蛋白であるaP2はERストレスおよびアポトーシスに重要であるなど,マクロファージにおける脂肪酸はそれに関連する蛋白も含め動脈硬化に深く関連している.

Key words
●脂肪毒性 ●トリグリセライド水解酵素 ●ERストレス ●動脈硬化

はじめに

 リポトキシシティー(脂肪毒性)とは組織や細胞において脂質が蓄積された結果,機能が障害されることを指す.近年多くの病態にリポトキシシティーが関連していることが明らかになっており,2型糖尿病,メタボリックシンドローム,非アルコール性脂肪肝炎(NASH),慢性腎臓病(CKD),そして動脈硬化症などがあげられる.このような疾患あるいは病態には標的となる臓器におけるマクロファージの浸潤を認めることから,マクロファージの脂肪酸代謝が病態に深く関連していると考えられる.本稿ではマクロファージにおける脂肪酸代謝と動脈硬化との関連性について概説する.

細胞内脂肪酸代謝経路

 脂肪酸(FA)のde novo合成としては,グルコース,フルクトースおよびピルビン酸などに由来するacetyl-CoAが直接の基質となりacetyl-CoA carboxylase(ACC)およびfatty acid synthase(FAS)の作用により飽和脂肪酸のパルミチン酸が合成される(図1).

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