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脂質研究の過去・現在・未来―創刊100号を迎えて―

(Up To Date)細胞増殖・代謝制御と動脈硬化症

横手幸太郎

The Lipid Vol.21 No.4, 68-75, 2010

「Summary」動脈硬化病変は, 血管内皮細胞や平滑筋細胞の機能障害と密接にかかわる. 本稿では, 新規の平滑筋細胞増殖抑制因子CCN3/NOVならびに内皮細胞でp53依存性に酸化ストレスを抑制する分子GLS2を紹介する. CCN3は, 大動脈中膜平滑筋細胞に高発現し, Notchシグナルを介して増殖抑制作用を示す. ノックアウトマウスの検討から, CCN3は血管傷害に伴う内膜肥厚反応を抑制し, 糖尿病状態においてはその発現低下が動脈硬化促進的に働くことが示唆された. 一方, GLS2は, 腫瘍細胞や大動脈内皮細胞, 前脂肪細胞において, 癌抑制遺伝子p53の活性化に伴い発現が誘導されるグルタミナーゼである. グルタミン酸の産生を通じてエネルギー代謝にかかわるほか, 還元型グルタチオンの増加を介して活性酸素種(ROS)の抑制に働く. 軽度のストレス下において, 内皮細胞保護的に作用することが想定される. これらの分子の機能解明は, 血管壁代謝および動脈硬化形成に新たな知見をもたらすと考えられる.

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