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脂質代謝異常と腎臓の接点

スタチン系薬剤による腎保護効果


掲載誌
The Lipid Vol.21 No.2 42-48, 2010
著者名
上嶋健治
記事体裁
特集 / 全文記事
疾患領域
循環器 / 代謝・内分泌 / 腎臓
診療科目
一般内科 / 循環器内科 / 腎臓内科 / 糖尿病・代謝・内分泌科 / 老年科
媒体
The Lipid

[Summary]脂質異常症は慢性腎臓病(CKD)を進行させるリスクであるが, 海外での大規模臨床試験のサブ解析やメタアナリシスおよび少数例での検討から, スタチン系薬剤によるCKD患者への尿蛋白減少効果や腎機能改善効果が報告されている. これらの効果は, コレステロール低下作用に基づく機序とその他の機序による可能性が考えられているが, 詳細は不明である. 腎機能を改善させる有効な薬剤がない現状において, スタチン系薬剤にレニンアンジオテンシン系抑制薬とは異なる観点からCKD患者への腎保護効果があるならば, その期待は大きい. 同時にこれらの効果に関してわが国からのエビデンスの発信も必要であろう. 「はじめに」わが国の透析患者は近い将来には30万人に到達しようとしており, 患者の立場からも医療経済の立場からも慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease;CKD)患者の透析移行に対する抑制策は急務である. また, CKDは心血管系イベントの危険因子であることが明らかにされ, 「心腎連関」として注目されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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