ビグアナイド薬とDPP-4阻害薬シタグリプチンを併用した際の,腎機能障害を有する糖尿病患者における血糖降下作用の違いや,腎機能への影響について検討を行った。併用療法で腎症の各病期においてHbA1c,GAはともに改善し,DPP-4阻害薬とビグアナイド薬の併用療法は腎症の病期に関わらず血糖コントロールに有用であることが示された。eGFRによるCKDステージが24ヵ月まで追えた症例で経時的変化も調査を行ったが,大多数の症例で腎症の変化を認めなかった。ビグアナイド薬とシタグリプチン2剤併用療法は良好な血糖コントロールが得られ,発症時の腎症に関わらず,腎症を悪化させることなく良好な経過であった。
「key words」ビグアナイド薬,DPP-4阻害薬,2型糖尿病