SGLT2阻害薬の特徴として,インスリン非依存性の血糖低下効果に加えて,体重減少効果,降圧効果,脂質代謝改善効果(血清中性脂肪値低下,HDLコレステロール値増加),尿酸低下効果など挙げられる一方,注意するべき副作用として,低血糖,尿路・性器感染症,脱水,皮疹などが挙げられる。発売3ヵ月後までに報告された副作用をもとに,日本糖尿病学会「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」より「SGLT2阻害薬の適正使用を呼びかけるRecommendation」が公表された1)。その中では高齢者への慎重な投与と脳梗塞のリスクについて言及されている。日本人高齢者におけるSGLT2阻害薬の安全性のデータが蓄積されてきて,2016年Recommendationが改訂された2)。本稿では,高齢者糖尿病治療におけるSGLT2阻害薬の安全性,SGLT2阻害薬使用例における脳卒中発症の頻度,発症原因,対処法を概説する。
「key words」高齢者,SGLT2阻害薬,脱水,脳梗塞
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