1型糖尿病は,β細胞の破壊に伴う絶対的なインスリン欠乏によって高血糖状態をきたす糖尿病である。1型糖尿病ではβ細胞破壊の成因に基づいた分類が行われており,自己免疫機序が考えられるものを1A型,自己免疫の関与が不明なものを1B型としている。1A型ではβ細胞関連蛋白であるインスリンやGAD(glutamic acid decarboxylase)65などが代表的な自己免疫の標的抗原と考えられており,実際,GAD抗体やインスリン自己抗体などは糖尿病の発症早期に高頻度に検出される。1A型糖尿病では,主として細胞障害性T細胞(CD8+T細胞)や単球系(マクロファージや樹状細胞など)が膵島局所に浸潤して膵島炎を形成しており,β細胞は炎症性サイトカインやケモカインの影響を受けて細胞機能障害(インスリン産生または分泌不全)あるいは細胞死(アポトーシス)に陥っていると考えられている。本稿では1型糖尿病の病態に関わるサイトカインやケモカインについて,自験例を中心に解説する。
「key words」1型糖尿病,CXCL10,IFN-γ,IL-18,IL-4,IL-10