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特集 アディポサイエンス・フロンティア

Ⅱ アディポサイエンス・トランスレーショナル 臓器連関のフロンティア

宇野健司片桐秀樹

Diabetes Frontier Vol.27 No.3, 331-336, 2016

「はじめに」飽食の現代において,摂取カロリー増加と運動不足による消費エネルギー低下に基づく肥満を背景にしたメタボリックシンドロームの増加が,社会的・医療経済的にも問題となっている1)2)。その病態は遺伝・環境素因など複合的な因子から成り,発症基盤につながるメカニズムを解明することは未来の医療を考えた上で重要な鍵となる。本来,生体内のホメオスターシスは,おのおのの臓器が相互に連携し機能することで維持される。昨今,個体の代謝を考える上で,こうした臓器連関の重要性が認識されてきた。特に,脳を中枢とした自律神経ネットワークから成る多様な臓器連関により,糖・脂質・エネルギー代謝が調節されることが世界的に証明されてきた3)4)。また,臓器から発せられる代謝に関わるシグナルが,この神経ネットワークを介することで生体の恒常性維持とともに,かえって病態生理に関与しうることも解明された。本稿では,全身の糖・エネルギー代謝や脂質代謝という観点に立ち,肝臓からの神経シグナル由来の臓器連関がもつ生理的・病態的意義を論述してみたい。
「key words」アミノ酸,mTOR,neuronal signals,脂質代謝

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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