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特集 アディポサイエンス・フロンティア

Ⅰ アディポサイエンス・ベーシック 褐色脂肪細胞・ベージュ脂肪細胞のフロンティア

長谷川豊梶村真吾

Diabetes Frontier Vol.27 No.3, 288-295, 2016

「はじめに」代謝活性のある褐色脂肪細胞やベージュ脂肪細胞は,ヒト成人にも存在し,全身のエネルギー代謝を制御していることが近年の研究でわかってきた。これらの細胞の分化や熱産生機能を活性化することによって,エネルギー代謝の亢進や肥満の抑制,全身の糖・脂質代謝の改善効果などが認められるため,改めて褐色脂肪の重要性が近年注目されている。われわれは,褐色脂肪細胞とベージュ脂肪細胞の特徴とその発生起源や分化制御因子に関する最新の知見を概説し,肥満治療に向けた展望について考察する。
「Ⅰ.褐色脂肪細胞の形態学的,機能的な特徴」ヒトを含めた哺乳類には,大きく分けて,白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2種類の脂肪細胞が存在する。共に細胞内に多量の中性脂肪を含有している点では同じであるが,その存在部位や構造形態,代謝・生理学的機能は大きく異なっている(表)。白色脂肪細胞は,余剰なエネルギーを中性脂肪(トリアシルグリセロール)として溜め込み,エネルギー不足状態下においてエネルギー供給を行っている。
「key words」褐色脂肪細胞・ベージュ脂肪細胞,UCP1,PRDM16,EHMT1,CK2

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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