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特集 インスリン抵抗性~メカニズムに基づく新しい治療法の探求~

褐色脂肪細胞の分化とインスリン感受性制御

大野晴也

Diabetes Frontier Vol.26 No.3, 342-346, 2015

「はじめに」褐色脂肪組織(brown adipose tissue:BAT)は熱産生を行い,胎児期での体温維持に大きな役割を果たしている。その特性からBATは胎児期のみに存在し,成人になるにつれて失われていくと考えられていた。しかし1980年代には,BATが寒冷刺激に対してだけでなく,食事誘導性の熱産生の大部分を担っていることが報告され,その代謝改善作用に注目が集まるようになった。近年,FDG-PET(2-fluoro-2-deoxyglucose-positron emission tomography)などの画像解析により成人にも活性のあるBATが予想以上に十分量存在すること,また高齢者や肥満者でBATの活性や量が低下していることなどが2000年代後半に連続で報告された1)-5)。さらに,主にマウスモデルにおいて,BATとインスリン抵抗性との密接な関係が明らかとなってきた。そこでBATを増やす,もしくは活性化させることにより肥満症の克服,さらには糖尿病などの代謝疾患を改善させるという試みに大きな注目が集まっている。
「key words」古典的褐色脂肪細胞,ベージュ脂肪細胞,PRDM16,EHMT1

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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