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総説

肝臓における糖代謝の最新知見

小野正文越智経浩西原利治

Diabetes Frontier Vol.26 No.3, 287-296, 2015

「はじめに」肝臓は消化管から吸収された糖が門脈を介して流入する最初の標的臓器であり,グリコーゲンの合成と貯蔵,さらには糖新生による糖供給にも重要な役割を担っている。このため,慢性肝疾患の進展により肝予備能が低下すると耐糖能異常が生じるのは容易に想像できる。近年,肥満や耐糖能異常を基礎疾患として発症する非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)や,その進行性病態の非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)の重要性が認知されるようになり,NAFLDやNASHの発症における背景病態としての耐糖能異常のみならず,NAFLDやNASHの病状進展と糖尿病悪化との関わりにおいても注目されるようになってきた。C型慢性肝炎,B型慢性肝炎およびアルコール性肝障害などの慢性肝疾患も肝硬変に至る場合には耐糖能異常が顕著化することは以前から知られているが,耐糖能異常からみたNAFLDやNASHとの相違点などについての特徴はあまり知られていない。このため,本稿では肝疾患の原因や病態の違いによる耐糖能異常出現の違いやその特徴について自験を交えて概説する。
「Key Words」NAFLD,NASH,C型慢性肝炎,インスリン抵抗性,Blood glucose swings

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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