<< 一覧に戻る

特集 糖尿病と脂質代謝異常の病態リンク

糖尿病患者における脂質管理

竹本稔横手幸太郎

Diabetes Frontier Vol.24 No.4, 412-417, 2013

「はじめに」糖尿病の治療目的は, 健常者と同様の生活の質を保ち寿命を全うさせることである. 糖尿病患者の生命予後は, 動脈硬化を基盤として発症する冠動脈疾患や脳卒中と悪性新生物によって左右される. このうち糖尿病患者における動脈硬化性疾患の罹患率の高さは, いくつもの疫学研究によって明らかとなっている. Finnish study1)によると, 糖尿病患者は心筋梗塞の既往がある非糖尿病患者と同程度の心筋梗塞のリスクがあり, 心筋梗塞の既往がある糖尿病患者の場合は, さらに再発の危険が高くなることが報告されている. わが国のNIPPON DATA80, 福岡県の久山町研究, Japan Diabetes Complications Study(JDCS)においても糖尿病患者は冠動脈疾患発症率が有意に高い(図1). また糖尿病に伴う冠動脈病変は, びまん性, 多枝病変, 微細な石灰化などが高頻度で観察され, 無痛性心筋虚血も多く, 冠動脈疾患の再発率や冠動脈形成術後の再狭窄率も高く, 非糖尿病患者に比し予後不良と考えられている.
「key words」糖尿病,脂質異常症,動脈硬化,LDLコレステロール,スタチン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る