<< 一覧に戻る

特集 小児・思春期糖尿病の最近の動向

日本人小児の単一遺伝子性インスリン分泌異常症の実態~特にMODY,先天性高インスリン血症について~

依藤亨

Diabetes Frontier Vol.23 No.6, 708-714, 2012

「はじめに」非症候群性の遺伝性インスリン分泌異常症として, 生後6ヵ月未満にインスリン分泌低下をきたす新生児糖尿病, 生後から若年成人期に至る時期にインスリン分泌低下が明らかになるMODY(maturity-onset diabetes of the young)と新生児・乳児期からインスリン過分泌による低血糖をきたす先天性高インスリン血症があげられる. 近年, これら疾患の遺伝背景が明らかになり, 原因遺伝子の違いによって自然経過や治療戦略が異なることが示された. 本稿では現在までに明らかになっているこれらの疾患のうち, MODYと先天性高インスリン血症を中心にわが国での発症実態を概説する. 「I. 優性遺伝性若年発症糖尿病」「1 概念」MODYは一般に25歳未満での若年発症, 非肥満, 優性遺伝性の単一遺伝子性糖尿病と定義される. 表1に現在まで明らかになっているMODYの原因遺伝子をあげる1).
「key words」MODY,先天性高インスリン血症,遺伝子異常

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る