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特集 メトホルミンの現況と新たな展望

歴史と現状

木村友彦加来浩平

Diabetes Frontier Vol.23 No.1, 30-34, 2012

「はじめに」糖尿病薬物治療の大きな役割を担う経口血糖降下薬の歴史で, メトホルミンほど時代に翻弄された薬物は他に類をみない. 乳酸アシドーシスへの懸念から1970年代以降, 世界的に使用が激減し, それはわが国においても同様であった. その後, 1995年米国でMulticenter metformin studyが発表され1), 米国食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)に認可されたことや, 1998年のUnited Kingdom Prospective Diabetes Study(UKPDS)34 2)の報告を受けて見事に復活を果たした. また, 2008年に発表された米国糖尿病学会(ADA)/欧州糖尿病学会(EASD)による治療アルゴリズムの提唱において, メトホルミンが2型糖尿病の初期治療薬として推奨された. 危険な糖尿病薬と認識されていたメトホルミンが, 現在では長期的安全性という見地からも, 最も安全な薬剤であるということに疑念の余地はない. 糖尿病治療におけるメトホルミンの役割が確立されたことで, 新薬の開発研究においてメトホルミンがベンチマークとされている.
「key words」メトホルミン,ガレジン,乳酸アシドーシス,大血管合併症

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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