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総説

糖尿病治療における新規分子標的GPR40~その発見と臨床応用への展望~

冨田努細田公則小鳥真司藤倉純二中尾一和

Diabetes Frontier Vol.23 No.1, 17-27, 2012

「はじめに」脂肪酸は膵β細胞においてグルコース負荷後のインスリン分泌調節できわめて重要であることが知られていたが, その分子機構は不明な点が多かった. 近年, オーファン受容体として知られていたG蛋白共役型受容体40(G protein-coupled receptor 40: GPR40)のリガンドが中鎖・長鎖脂肪酸であることが示され, GPR40の膵β細胞における高発現およびインスリン分泌調節への関与の可能性が報告されたことから, 脂肪酸によるインスリン分泌調節における新規の鍵分子として注目されてきた. 本稿では, GPR40を標的とした創薬が糖尿病治療の分野で臨床応用されつつある背景を踏まえ, GPR40の発見から今日に至る関連する代謝研究の概要を解説する. 「(I)脂肪酸による膵β細胞でのインスリン分泌調節」脂肪酸は栄養素として重要であるのみならず, 細胞内シグナル調節に深く関与することが知られている. 膵β細胞においてグルコースは強力にインスリン分泌を惹起することはよく知られており, グルコース応答性インスリン分泌(glucose-stimulated insulin secretion: GSISまたはglucose-induced insulin secretion: GIIS)と呼ばれる.
「Key Words」G蛋白共役型受容体,脂肪酸,インスリン分泌,創薬標的,糖尿病治療

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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