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特集 緩和ケア病棟が変わる:紹介のタイミングとその後の療養

緩和ケア病棟での療養を提案する立場から

①胃がん:Medical Oncologistからの提言

佐藤温佐々木洸太

がん患者と対症療法 Vol.28 No.1, 13-17, 2019

切除不能再発進行胃がんのbest supportive care(BSC)での全生存期間中央値は3~4ヵ月とかなり予後が悪く,延命およびQOLの向上を目的に抗がん剤治療が適応となるが,一次標準化学療法での全生存期間中央値は1年を若干上回る状況となってきている。ただし,他のがん腫と比較するとやはり不十分な期間であり,化学療法開始時にこの厳しい情報を患者と共有している。そして,抗がん剤治療施行中はがんに起因する苦痛と同時に副作用に起因する苦痛に対して専門的支持医療を実践している。二次化学療法,三次化学療法においても生存の有用性は検証されているものの,BSCとの差は小さくなってくる。この頃からadvanced care planning(ACP)が行われるようになり,最終的に原疾患増悪による化学療法中止/終了時が緩和ケア病棟への紹介のタイミングとなる。一般的には原疾患の増悪は急速に進むので,化学療法中止/終了から看取りまでの期間は短いことが多い。胃がん領域で求められる緩和ケア病棟のあり方は,二次・三次化学療法時での早期からの緩和ケア外来併診からはじまり,積極的抗がん治療終了後にも継続した患者支援を保証するものであってほしい。
「KEY WORDS」胃がん,化学療法,全生存期間中央値,ACP,コミュニケーション

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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