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特集 重症喘息Up-To-Date

気道リモデリングと重症化

平野綱彦松永和人

喘息・アレルギー Vol.30 No.1, 40-44, 2017

喘息の重症化の原因の1つとして,遷延する炎症の結果起こった気道の構築変化(リモデリング)の影響があり,リモデリングの重要なリスクファクターとして増悪が考えられている。増悪はToll-like receptor(TLR)やinnate lymphoid cell 2(ILC2)といった自然免疫経路とも関連し,アレルギー反応により増強し,一酸化窒素(NO)をはじめとしたフリーラジカルを介して気流制限の進展にも寄与することが示唆されている。よって,今後リモデリングを抑制するためには,遷延性の気道炎症や増悪を標的とした治療,すなわち抗炎症薬や気管支拡張薬といった通常治療に加え,禁煙や感染予防も有効である。しかし,標準治療にても増悪が制御できない場合は分子標的薬の適切な治療も考慮に入れる必要がある。
「key words」リモデリング,増悪,自然免疫,ステロイド抵抗性,難治化,一酸化窒素(NO)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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