特集 アレルギー診療のトータルアプローチ
総合アレルギー専門医に求められる内科領域
Minimal essential internal medicine for total allergists
喘息 Vol.28 No.2, 53-57, 2015
「Summary」種々のアレルギー疾患の有病率が高いことに伴い,1人の患者が複数のアレルギー疾患を有することが多く,臓器別の診療では高い効率を上げにくい。また長い年月の間に,主な治療対象臓器が移り変わることも稀ではなく,ときには全身性アナフィラキシーも診療対象疾患となる。時間・手間・費用のいずれにおいても医師・患者の双方で無理・無駄が生じやすい。国民および患者が望むアレルギー専門医像としては,罹患臓器が異なるアレルギー疾患であっても適切に診断・治療が可能な総合アレルギー専門医への期待が大きい。本稿では総合アレルギー専門医にとって必要とされる内科領域の疾患について概説する。
「はじめに」アレルギー疾患の有病率は高く,国民病と称されるほどとなっている。アレルギー性鼻炎・花粉症は特に頻度が高く,筆者の勤務先の学生に実習の度に尋ねてみると半数近くが有していることに驚かされる。
「Key words」内科疾患,喘息,アナフィラキシー,アレルゲン,免疫療法,総合アレルギー専門医
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