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特集 気管支喘息の自然歴とアウトグロー

Ⅲ.アレルギーマーチの疫学

Epidemiology of allergy march

大矢幸弘

喘息 Vol.27 No.2, 45-50, 2014

「Summary」乳児期のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーに始まり気管支喘息(喘息)やアレルギー性鼻炎に移行していくアレルギーマーチは,コホート研究の発表が進むにつれて,その実像が明らかになってきた。乳幼児期のアトピー性皮膚炎は,その後の喘息発症のリスクを高めることが多くのコホート研究の結果から明らかとなり,それは重症度に比例するようである。小児期の喘息の大半は成人期には寛解しているが,初期に頻度が高く重症なタイプは,その後の本格的な喘息や成人喘息のリスクとなり,6~7歳までに受けた気道のダメージは,たとえ寛解したとしても,その後のキャッチアップは難しく,逆に7歳以降に喘鳴があったとしても,その影響は限られているようである。
「Key words」アレルギーマーチ,コホート研究,transient wheezers,early wheezers,persistent wheezers

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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