特集 気管支喘息の自然歴とアウトグロー
Ⅰ.アレルゲン感作と発症 吸入アレルゲンの感作とアレルギー症状の発症・寛解
Sensitization to inhalant allergens and its relationship to development and remission of allergic symptoms
喘息 Vol.27 No.2, 22-28, 2014
「Summary」ヒトはさまざまな経路でアレルゲンに曝露されることにより感作が成立する。乳幼児期は食物アレルゲン,幼児~学童期はハウスダスト,ペットなどの屋内の吸入アレルゲン,思春期以降は花粉などの屋外の吸入アレルゲンに感作されやすいが,いずれも低年齢化が進んでいる。吸入アレルゲンに感作されると,気管支喘息(喘息)や鼻炎を発症しやすくなることは多くの疫学研究によって示されており,わが国の小学生を対象としたコホート研究でも,ダニやスギ花粉への曝露によって感作率が上昇すること,ダニ感作が喘息や鼻炎の発症リスクを高めることが明らかにされている。アレルゲンへの曝露を除去することにより喘息の発症予防を目指した介入研究も行われているが,その効果については明確な結論が得られていない。現在,国内外で出生コホート研究が行われており,その成果が期待される。
「Key words」吸入アレルゲン,ハウスダスト,ペット,花粉,特異的IgE抗体,喘息,鼻炎
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