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Pro/Con紙上討論

第4回小児におけるLABA使用の是非

吉原重美亀田誠海老澤元宏

喘息 Vol.24 No.1, 105-114, 2011

Proの立場から
はじめに
 喘息は気道の慢性炎症疾患であり,吸入ステロイド薬(inhaled corticosteroid;ICS)が治療の第一選択薬である。

ICS単剤で効果不十分な患者には他剤の併用が必要であり,長時間作用性β2刺激薬(long-acting β2 agonist;LABA)はICSの併用薬として高い効果を有する。近年ではサルメテロール/フルチカゾンプロピオン酸エステル配合剤(SFC)の登場により,よりシンプルな治療が可能となっている。

Proの立場から(続き)

小児喘息患者を対象としたLABA併用のエビデンス

 喘息の国際ガイドラインであるGlobal initiative for Asthma(GINA)では,6歳以上の小児喘息治療は成人と同様で,ICSでコントロール不十分な場合にはまずLABAの併用が推奨されている。一方,本邦のガイドラインにも治療ステップ3以上の併用薬の1つとしてLABAが記載されている。ICSにLABAを併用することにより,小児喘息のコントロールが改善することは多くの報告で確認されている1)。また,フルチカゾン(FP)200μg/日でコントロール不十分な小児喘息患者をステップアップする場合,LABA(サルメテロール(SLM))および同量のFPを含むSFCに変更した群とFP単剤を2倍に増量した群を比較した試験は多数報告されており2)-6),SFC群で呼吸機能や喘息症状の改善効果が高いことが確認されている。なかでもBADGER試験2)は,FPの増量やFPにモンテルカストを併用するよりも同量のFPを含むSFCに変更したほうが,効果が高い患者の割合が多いことを示している(図1)2)。

すなわち,喘息のコントロールレベルや患児のQOLの観点では,ICSでコントロール不十分な患者の第一選択はLABA併用であり,使用の簡便性やICSのアドヒアランスを考えるとSFCの使用が推奨される。
 LABA併用で最も懸念されるのは,コントロールレベル改善によるステップダウンによりICSが減量され,喘息の本態である気道過敏性に悪影響を与える可能性である。Sorknessらの報告7)では,朝にSFC 50/100μg,夕にSLM 50μgを使用した群(1日量としてFP 100μg,SLM 100μg)では,朝夕に各FP 100μgを使用した群(1日量としてFP 200μg)と比較して喘息を同程度にコントロールできるが,気道過敏性や呼気中一酸化窒素(nitric oxide;NO)濃度の改善量は低い。これはSFCが1日1回であったためとも考えられるが,ICSの1日量が少ないためとも考えられ,本邦独自の用量であるSFC 25/50μgの1日2回の有効性,安全性に関しては今後のさらなるエビデンス集積が必要である。なお,SFC 50/100μgとFP 200μg1日2回の比較試験においては,気道過敏性や呼気中NOの改善は同程度であることが報告されている(図2)5)。

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