Summary  ハチアレルギー患者に対する根本的治療としてハチ毒エキスを用いた免疫療法が古くから知られており,諸外国や本邦において,その有効性ならびに安全性について多数報告されている。しかし本邦では,いまだ保険適応が認められていないため,一般の医療機関での治療は困難である。免疫療法の奏効機序として,遮断抗体として考えられている特異的免疫グロブリン(Ig)G4抗体の関与が考えられている。最近,免疫療法によって増殖・活性化された制御性T細胞から産生されるインターロイキン(IL)-10の作用によって,特異的IgG4抗体産生を惹起させることが示唆されている。将来的には,現在の免疫療法に比べてより患者負担を軽減させるため,ワクチン療法などの簡易的な新規治療の開発が期待される。