骨粗鬆症有病者数は現状でも1,300万人と推計され,今後人口のさらなる高齢化によって増加する.大腿骨近位部骨折発生数も増加し,年齢調整発生率は先進国では下降に転じているが,いまだ横這いである.同骨折後1年で15%程度が死亡し,臨床椎体骨折ではさらに大きな死亡リスクも報告されている.死亡を免れても要介護化のリスクは大きく,要介護高齢者の10%あまりは骨折によるものである.しかし,骨粗鬆症有病者のうち,受療者は女性34%,男性7%程度で,大腿骨近位部骨折後でも未治療45%,2年以上の治療継続は32%であった.患者の効率的な発見と骨折後の確実な治療が必要である.
「KEY WORDS」骨粗鬆症,骨折,罹患率,有病率,死亡リスク