【特集 続発性骨粗鬆症―診断と対策―】
生活習慣病に伴う骨折リスクの増大(1)酸化ストレスの骨代謝への影響
掲載誌
THE BONE
Vol.27 No.2 25-29,
2013
著者名
金沢一平
/
杉本 利嗣
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
骨・関節
診療科目
整形外科
/
リウマチ科
/
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
媒体
THE BONE
加齢や閉経, 生活習慣病により増大する酸化ストレスが骨に悪影響を及ぼしている可能性がある. 酸化ストレスは直接的に骨芽細胞や骨細胞のアポトーシス促進, 破骨細胞機能を増強する機序以外にも, 終末糖化産物(AGEs)の形成促進を介して間接的に骨に影響する. 酸化ストレスは骨量のみならず骨質へも負に作用する可能性があり, 生活習慣病にみられるような骨質劣化による骨脆弱性を考える上で重要な素因である. 「はじめに」活性酸素(reactive oxygen species:ROS)とは, 酸素分子がより反応性の高い化合物に変化したものの総称であり, 脂肪酸酸化や成長因子, 炎症性サイトカインによって内因性に産生される以外にも, 放射性物質や紫外線などの環境因子により産生される(酸化反応). 通常は生体内の防御機構(抗酸化反応)によりバランスが保たれているが, 加齢や生活習慣病により生体内における酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れ, 相対的に酸化反応が亢進した状態のことを酸化ストレスと呼ぶ.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。