その他
肺がん分子標的治療の初期抵抗性の克服
Pharma Medica Vol.40 No.3, 62, 2023
進行期肺がんは予後不良の難治性腫瘍である。これまでに複数の重要なゲノム異常が発見され、その阻害活性を有する分子標的薬の臨床開発は多くの肺がん患者に福音をもたらした。しかしながら、一部の症例では治療抵抗性を示し、奏効症例のなかにも治療早期に耐性獲得する症例が存在することは臨床において解決すべき課題の一つである。
がん分子標的薬による治療修飾は、肺がんの腫瘍内不均一を促進し、薬剤耐性腫瘍の複雑・多様化を惹起することが懸念される。また治療介入は、細胞内のfeedback機構の活性化を誘導し、薬剤感受性低下に関与することが知られている1)。
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