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特集 貧血と諸疾患の機序を探る

再生不良性貧血

山﨑宏人

Pharma Medica Vol.39 No.11, 23-26, 2021

再生不良性貧血(aplastic anemia:AA)の発症には免疫学的機序が関与していると考えられている。しかし,そのメカニズムの全容はいまだ明らかにされていない。
発病後まもないAA患者の大部分が,T細胞を選択的に抑制する抗胸腺細胞グロブリン(anti-thymocyte globulin:ATG)やシクロスポリン(cyclosporine:CsA)を用いた免疫抑制療法によって改善することは,AAの発症にT細胞が深く関与していることを示唆している。おそらく,何らかのきっかけで免疫寛容が破綻し,造血幹細胞自身が有する自己抗原に特異的な細胞傷害性T細胞(cytotoxic Tlymphocyte:CTL)が誘導され,このCTLが造血幹細胞を傷害しているものと考えられる。しかし,AAの発症時にはCTLの標的となる造血幹・前駆細胞自体がすでに枯渇しているため,肝心の自己抗原が同定されていない。そのため,AAの病態研究では,さまざまな視点からT細胞の関わりが検証されてきた。
「KEY WORDS」インターフェロンγ,細胞傷害性T細胞,制御性T細胞,PNH型血球,HLAクラスⅠアレル欠失血球

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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