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特集 乾癬を見直す~臨床薬理学の観点から~

乾癬の最新治療 ②低分子化合物

藤田英樹

Pharma Medica Vol.39 No.10, 53-56, 2021

特定の分子をターゲットとして,その機能を阻害する薬剤を分子標的薬という。分子標的薬は,モノクローナル抗体に代表される高分子の生物学的製剤と,低分子化合物に大別される1)2)。生物学的製剤は主に抗体医薬品であり,分子量が大きいため細胞内に入ることができず,細胞外あるいは細胞膜上の標的分子に作用する。また,生物学的製剤は静脈注射あるいは皮下注射での投与となり,経口投与はできない1)2)。一方,低分子化合物は細胞内に入り,シグナル伝達分子などの細胞内標的分子に作用できる。さらに,低分子化合物は経口薬(場合によっては外用薬)として投与可能である1)2)。乾癬の領域では新規経口低分子化合物として,2017年にphosphodiesterase 4(PDE4)阻害薬であるアプレミラストが,2021年にJanus kinase(JAK)阻害薬であるウパダシチニブが認可されている。本稿では,アプレミラストとウパダシチニブについて解説する。
「KEY WORDS」乾癬,PDE4阻害薬,JAK阻害薬,アプレミラスト,ウパダシチニブ

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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